虹の書斎

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オシロイバナ

 

「あぁ、白粉花のイイ香りがする…」

気が立ってささくれていた神経が、スーと落ち着いていく。

どこか懐かしさを感じさせる、涼やかな甘い香り。

 

 

突き刺す日差しと厳しい暑さがしばらくぶり返して、

気温は33°C辺りまで上がり、まさに真夏の体、

さすがに心身に堪えた。

ただ、これが後ひと月も続くとなると困るけれど、

このくらい厳しい方が夏らしくて良いのかな…と感じる自分もいる。

 

夏自体はもう質として弱まっているはずだし、

残暑もあと少しで終わりだろうな…

 

などと、一抹の寂しさが心に忍び寄るのを感じている最中、

今日はやけにヒンヤリとした風が吹いている。

週末は北由来の空気の訪れで、気温が下がるらしい。

もう明日からは9月。

予想よりも暑さは早く引けていくのだろうか?

 


夏の記憶を辿る時、いつもヒマワリよりも先に脳裏に浮かぶ

道端や畑の傍でハッキリくっきり鮮やかなオシロイバナの花。

マゼンタ、黄、オレンジ、白、そしてバイカラー、

この2ヶ月の間、ずっと風景の中で開花していたが、

夏の賑々しさを映し出すかのように、

まだまだ元気にはじけるように咲いている。

 

花径は3cm程だろうか。

たくさんの花同士がおしゃべりに興じて笑っているみたいに、

場が和気藹々と軽やかに弾んでいる。

花々の発散する明るさが人懐こくて、笑顔を誘う。

開花している姿は、

小さな花火が緑の葉を背景の空に見立てて、一斉にパァーッと開いているよう…

ハツラツとして、パンチが効いている。

 


でも、それだけではない。

葉が旺盛に成長して繁茂し、

花もその葉の上に盛大に咲き栄えるくらいになると、

可愛らしさの奥にある迫力の質が、オシロイバナ全体からほとばしり出てくる。

その膨張するオーラが場を埋めていく様は、

他を圧する生存本能の力を見せつけるかのようで、激しい。

 

夏の熱と光の中でも負けない、

充溢する生命の力が押し出した花に心を向けていると、

不思議にその燃えるような生への奔流に感化されて、

こちらもじわじわやる気と元気が呼び起こされて、

心が熱く支えられるような気分になってくる。

高揚感…エネルギーチャージ…

オシロイバナは花を通して勇気と元気をくれるのだ。

 


たくさんの色の花の花火を、葉緑の上に音もなくどんどん打ち上げ、

夏の地上に、弾みある彩りをもたらして。

そしてそこには、ポップな絵面にはそぐわない、

心をホッとなだめる、優しい芳香が取り巻いている。

そんな、オシロイバナの世界。

 

健やかな陽の気を分け与えて励まし、

涼香の一服で安らぎをもたらす夏の花。

今年もまた共に過ごすことができた。

両極で作用するオシロイバナと交わす、日々の行く道帰り道。

まもなく夏も終わりを告げるから、

あと少しの間だけ。

 

 

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馨公