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虹の書斎

花散策文や詩、音楽やスポーツ、健康や時事関連等心の赴くままに記しています。

フェデラー優勝

スポーツ

膝の怪我のため長期間休んでいたロジャー・フェデラーが、

日曜日に行われた全豪オープンテニス男子シングルス決勝でラファエル・ナダルを破り、

オーストラリアでは自身5度目!となる優勝を果たした。

35歳という年齢での王の帰還とその勝利への道のりは、

史上最高の選手という枕詞にふさわしいクォリティの発露と、その連綿であった。

 

伝説として語り継がれる試合になるのではと、始まる前から大注目となった決勝は、

試合時間3時間38分、フルセットにもつれ込んだ。

フェデラーのしなやかで強靭な高速高精度のテニスと、

ナダルの太いトルクでどこまでも粘り続けられるテニス。

怪我から復活したベテラン2人のテニス史上屈指の力と技、情熱と意地が真っ向からぶつかり合い、

緩みたるみの生じる余地がない、白熱したテニスが終始繰り広げられた。

伝説として語られるべき、胸を打つような内容の激闘だった。


現No. 2のジョコビッチとNo. 1のマレーが先に敗退してしまった稀なる大会。

フェデラーは、No.10ベルディヒは軽々と、No.5錦織は本気のテニスで破り、

セミファイナルでNo.4ワウリンカをギリギリ凌いで、決勝まで上り詰めた。

そして決勝の相手ナダルはNo.6モンフィス、No.3ラオニッチを倒し、

セミファイナルでは覚醒したディミトロフに崖っぷちまで追い込まれながらも勝利した。

 

まさに年下のトップランカー達1人1人をその堂々たる実力でなぎ倒し、

世界が目を輝かせ狂喜した、フェデラーナダルという贅沢なマッチアップは実現したのだ。

そして試合では、ラリーの応酬、諦めないナダル、鋭いウィナーを決め続けるフェデラー

サービスブレイク、ブレイクバックと主導権が2人の間を往き来して、

ついに自己記録を更新する、史上最多のグランドスラム18度目!の優勝を、

フェデラーが成し遂げたのである。

 


情熱的な姿勢と驚異的な粘りで、往年のプレイそのままにフェデラーを苦しめたナダル

セミファイナルで4時間を超える試合をディミトロフと戦った疲れなどまるで見せず、

心身の力強さを溢れさせて、間違いなく本来の調子を取り戻していた。

衰えない躍動感、心身のタフさ、

今年のツアーではすぐに上位に戻ってきそうだ。

 

しかしそのナダルでも、

極端に速い打点から繰り出される多彩なフェデラーのショットには、

やはり対応しきれていなかった。

速いサーフェスでのギリギリの速い仕掛けゆえ、

そしてナダルのフラット系とドライブの打ち分けの妙技ゆえ、

ミスショットも少なくなかったフェデラーではあったが、

結果を見ると、3回戦のベルディヒ戦から決勝まで、

高速高精度のフェデラーのテニスはすべての相手を凌駕し、

結局誰もが攻略しきれずに敗れ去ったのである。

35歳にしてこの進化…一体この最強の王者はどうなっているのか。

低頭するばかりである。

 

ただ仕方がないこととはいえフェデラーファンが観客に多く、

声援にずいぶんと偏りが生じていたため、

試合に対するその影響力は無視できないものがあったと思う。

対戦相手にとって、フェデラー本人と向き合うのでも大変なのに、

さらに大声援を向こうにまわして常にアウェイで戦わねばならないという多大な負担。

フェデラーファンの自分でも、もう少しイーブンな中であったなら結果はどうだっただろうか、

どうなるだろうかと思う場面は度々あった。

そこはひっそりと、言及しておきたい。

 


怪我からの復帰後初のグランドスラムで、

心配をよそに想像以上に素晴らしかったフェデラー

全豪オープンは彼のための大会であったと言っても過言ではないくらいの、

カタルシスさえ感じる優勝という結末で幕を閉じた。

夢のようなフェデラー復活の物語に世界が酔いしれ、

日曜の夜は祝福で満たされていた。

 

けれども冷静にテニスそのものから結果を見るならば、

休み明けであろうとなかろうと、

本命の1人が実力通りにチャンピオンのテニスをして優勝した…

むしろ妥当な結果と捉える方が正しいのかもしれないな…

と、そんな風に思えるほどフェデラーは傑出していた。

 

高齢で怪我明けだからという下馬評を覆しての貫禄の王の勝利…

まだまだBIG4の時代は続くということだろうか。

 


馨公