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虹の書斎

花散策文や詩、音楽やスポーツ、健康や時事関連等心の赴くままに記しています。

錦織圭 vs ロジャー・フェデラー

スポーツ

真夏の南半球オーストラリアで開催されている全豪オープンテニス。

幕を開けてから約1週間が経ち、トーナメントも4回戦まで進んでいる。

ジョコビッチが2回戦で敗れるというビッグニュースに驚かされたり、何人かのシード選手が早くに去りはしたものの、

ここまで勝ち残っている顔ぶれを見ると、

やはり馴染みの上位ランカー達という状況になっている。

 

今回のトーナメント、錦織選手は厳しい山に割り当てられたけれど、

3回戦まではさすが、キッチリと勝利。

このあとの4回戦でロジャー・フェデラーと。

勝ち上がれた場合、ベスト8ではランキングNo.1のアンディマレーと、

対戦することになりそうだ。

ここからが正念場、厳しさが格段に増す。

 

観る側としては、こうした華やかなラインナップ自体には胸躍らされるが、

とりわけフェデラーvs錦織戦はまさに夢のような好カード、

この2人のマッチアップが観られるときめくような歓びや、とうとう現実となる感動と、

4回戦ではもったいな過ぎるぞォ、と感じる気持ちとがせめぎ合い、

心の中で嬉しい悲鳴が上がっている。

 

フェデラーと錦織の関係性には、

どこか師弟のような、尊敬し認め合う姿が透けて見え、

他の選手同士の試合では見られない何か純粋な「通うもの」が感じ取れる。

そんな2人のフェアな精神に則って繰り広げられる高度なテニスは、

美しくて力強く、速くて正確であり、

その力と技とスピードが、

4回戦で観る側を楽しませてくれるというのだから誠に贅沢なことである。

 

それぞれの選手だけを見ても、

あのロジャー・フェデラーの久しぶりの復活劇、

その姿、そのテニスを観られるだけでもファンにとっては感激だ。

一方キレのあるストロークにさらに磨きがかかって、

錦織選手悲願のグランドスラム優勝への応援と期待も膨らむ。

どちらにも勝って欲しいし負けて欲しくない気持ち。

数多くのテニスファンがこの4回戦を前に、

同じ気持ちでワクワクハラハラしていることだろうと思う。

 

いよいよ本日の日本時間17時頃から試合が始まる。

グランドスラムではどうしてだか対戦がないこの2人、

楽しみな思いが強くて、昨日から何となくずっとソワソワしている。

 


広いコートを激しく動き回りボールをしたたかに強打し続けていても、

力みなく滑らかで華麗、静かでフワリと軽やかなフェデラーの無駄のない動き。

ゆったりしたフォームから、鞭がしなるような強烈なフォアハンド、

蝶や風が舞うような柔らかなステップから、緩急自在のとてつもないボレーを決めてしまう。

しなやかで強力、美しい芸術のようなテニスで魅せる史上最高のプレイヤー。

 

錦織選手の目の覚めるような鋭角のフォアドライブ。

他の追随を許さないバックのダウンザライン。

バネの効いた俊敏なフットワーク。

ピンポイントで打ち込まれる軸の定まったキレキレのリターン。

まるで高速で回転する幾つかの独楽がぶつかって弾け飛び、火花がその瞬間に四方に飛び散るように、

あらゆる角度へ自在に放つことができる、煌びやかなショットメイク。

 

勝負以前に、

精度の高いストロークやラリー、ボレーや戦術、動きすべて。

こんな2人の戦いが観られるというだけで、

本当に心から幸せで、顔が自然に紅潮してきてしまう。

どちらも応援したくなる。

 

けれど日本人として…というか東洋系の選手として、

このスケール、このグレードで戦い活躍している選手はほぼ皆無、

錦織選手1人だけが成し遂げているというこの現在の状況。

肉体面、心理面、人種面、環境面など、

目に見えるところ見えないところひっくるめて、

想像以上に戦って、また闘ってきているのだろうとも思えてくる。

 

コート内外のシビアな側面としのぎを削りながらも、

ここまで継続して世界のトップメンバーとして実績を作り、

グランドスラムを錦織選手が取ってももう全くおかしくないと、

もはや世界のメディアや識者が普通に言うようになってきている今。

当然…と皆が思うところにはたどり着いているその現実が、

追い風のように彼を後押しし、

今年は「実力通り」のこととして、本人悲願のグランドスラムを獲得して欲しい。

 

フェデラーには負けて欲しくない。

でももう錦織選手に勝って欲しい。

あぁ、これが決勝であったなら…。

 


馨公(よしたか)