虹の書斎

花散策 テニス(Rフェデラー• 観戦感想) 健康 肌ケア 音楽 時事 詩 雑記etc

厳しい環境下にあっても変わらずに生命力を湛え、

真っ直ぐ伸びやかに、

身をくねらせしなやかに、

己れと場との兼ね合いにより身の形を変えながら、

力強く根を張り、堂々たる生を生きる松。

 

細長い葉緑の深く渋い松葉色。

塩含みの海辺の土壌で、強の潮風に負けない生命の器。

健康と長寿の象徴のように古来より重宝され、

松竹梅と世に謳われる通りに、

縁起がよい植物の筆頭の如くみなされる。

 

365日の中でも最重要の1日と言える、代えがきかない正月元日。

年初の慣わしにおける縁起物にはもちろん松が用いられる。

門松や正月飾りとしてその役目を担い、

松の内と呼ばれる表現も手伝ってか、

年明けからしばらくの間は、

格の高い松のエネルギーが世の中を往き来することになる。

 


古今東西で特別な力がある樹木だと認知されている松は、

日本の場合、そこに神聖さの要素が加味されるようで、

ご神木として神社仏閣で見かけることも珍しくはない。

海辺や水の神社は松並木、というイメージも浮かんでくる。

 

参道に見事な枝ぶりの松が贅沢に立ち並ぶ姿。

威厳のある大松が存在感も高らかに、勇壮な趣を社寺に行き渡らせる姿。

境内の神聖な雰囲気に松がさらなる重厚さを呼び込む…

という場面にはよく遭遇する。

 

クロマツアカマツ、カラマツ…

長い年月をくぐり抜け、品格と老練さ、継続と忍耐という神性の徳を磨き宿して。

堅固な意志や生きる労苦を体現しつつ、

日々の暮らしから正月に至るまで、

我々が倚りかかることは許し、

自らを当たり前に差し出してくれる。

 

気高き師父のように、

その生き様から懐の深い強さと優しさが滲む松。

誠にありがたくて尊い存在である。

 


馨公(よしたか)