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虹の書斎

花散策文や詩、音楽やスポーツ、健康や時事関連等心の赴くままに記しています。

皇帝ダリア

竹や笹のようにまっすぐ茎が伸び、

3mはゆうに超え、5mに達するものも。

頂上の辺りにたくさんの大きな花を咲かせる皇帝ダリアは、

11月をこえて日がどんどん短くなり、

冬の寒さが深まる時期になってから満開となる。

 

こんな季節のそんな高い場所に、間違えて開花してしまったの?

そんな風に思わず訊ねたい気持ちになるのは、

花の現れがどこか突然で、不自然さと変則的な風情があるから。

背の高さと茎の細さまっすぐさ、

花の位置やその大きさ形、そして美しさ。

存在感に打ち消せないアンバランスさがある。

 

線は細くとも確かな輪郭を保つ8枚の花弁は、

薄紫からピンクへと渡るグラデーション。

上品さがあって、少し透けるように美しい。

直径は15cm以上にもなり、ひまわりに似た形をしている。

皇帝ダリアとひまわりは、さながらネガとポジのよう。

ひまわりが表で黄色で太陽ならば、

皇帝ダリアは裏で紫で外宇宙の雰囲気が漂う。

 

ヒョロンと高みまで茎が伸び、そこにいきなり薄色の花を付ける様は、

どこか大地から離れている「遠さ」を感じさせる。

下から見上げると空色に溶けてしまうペールバイオレットの花の色も、

地球より宇宙を偲ばせる。

 

皇帝ダリアがひまわりと違うのは、

一本の木のような茎の頂上付近から細い枝を出し、

その先に大輪を咲かせること。

その重みで天ではなく地の方に向かって花開く。

 

竹のように茎が少ししなり、

皇帝ダリアの大ぶりの花たちがやや下向きに首をかしげる…みたいな体裁は、

ベビーベッドに眠る赤ちゃんの顔を覗き込む、

親たちのそれに様子や具合が似ている。

 

男性女性両方のエネルギーを含む淡い紫ピンクの花弁と、

中心部分に黄色をもつ魅力ある補色の色合いは、

やわらかな明るさで元気づけ、

微笑みかけているような温かな優しみがある。

 

春でも夏でも秋でもない、寒く暗い冬の時期に、

天に向かって伸び育ち、地を見て花咲く皇帝ダリア。

遠い宇宙から降り注ぐ何かを受けとめ、

大地につなげる密かな役目を匂わせながら、

太陽は追いかけずに、

人や生き物の方に薄い紫ピンクの優しい顔を向けて佇む。

高みからさりげなく、こちらを見守っている。

 

 

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馨公