虹の書斎

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米大統領選その後

アメリカの大統領選は、

下馬評を覆すドナルド・トランプ候補の勝利で決着がついた。

ニュースや新聞では「Trump triumph」と見出しがつけられ、

想像以上の驚き…こんなことになるとは…

という落胆をにじませて、

逆転勝利の詳細報告へと繋げていた。

 

全米各地で、反トランプデモが起きている。

民主党クリントン候補支持者が多いカリフォルニア州では、

この選挙結果を受けて、

アメリカ合衆国とカリフォルニアは望むものが常に異なっているし、

豊かな財源をもつから独立したとしても自力でやっていける。

もう国からは離脱したい…」

というような声まで上がっているそうだ。

 

そんな中で迎えたトランプ新大統領決定翌日、

早速というか、やはりというべきなのか、

イギリスの時もそうだったが、

ヘイトクライムが少なからず発生している。

デモはシュプレヒコールを通して訴える手段であり、

決して暴力行為ではないが、

現実の生活の場面で起きるヘイトは、

明らかに他者に危害を加えるものなので深刻だ。

 

南米系のアメリカ国籍の子供がいじめを受ける。

メキシコ系かどうかもわからない女性が、暴漢に襲われ金品を奪われる。

黒人の集う教会への襲撃。

脅迫されて学校に行けないと家で待機する子供たち。

クリントン候補を支持した人への嫌がらせ。

LGBTへのあからさまな脅しや弾圧…。

リアルな情報がアメリカ各地から続々と、SNS経由で流されている。

 

事件など起きないような、

平穏で落ち着きのある、都市部から離れた住宅街のような場所であっても、

それまではなかった白人からのいきなりの攻撃や脅迫が起きているらしく、

近所の通り沿いでいきなり罵声を浴びせられた、

水をホースでかけられた、脅されたなど伝えられている。

 

黒人やラティーノムスリム、アジア系のアメリカ人や、

LGBTクリントン候補支持者などに対する、脅迫や暴行、迫害。

人種差別、性差別、障害者差別…

アメリカ国籍であるにもかかわらず、

差別意識のもと公然と、

攻撃迫害してもよい対象にされようとしている。

 

 

選挙期間中にトランプ発言を支持した有権者…というよりは賛同者の中には、

いわゆる極右や白人第一主義者が含まれる。

そこまでではないにしても、

潜在的には差別意識仕方なし、とする人もいるだろう。

経済的に長年苦しんでいる貧しい白人ならば、

coloredの人たちへの、

差別とまでは言わなくてもネガティヴな思い、は抱いていてもおかしくない。

 

白人主義的になるのは仕方ないという風潮が、

想像以上に広く当たり前のこととして、

一般白人家庭に芽生えてきているのだろうか。

少なくとも一部では、

選挙後に枷が外れ、堰を切ったような状態へと向かっている可能性がある。

好きにやってもよいと誤った解釈を用いて、

差別やヘイトを巷に積極的に作りだし始めているのだ。

 

coloredの人たちやマイノリティにとっては、

この大統領選挙の結果は、国の経済や安全保障云々どころではなく、

人生、毎日の暮らし、生命にまで関わるものである。

一過性ではない本気の叫びで、弾圧を承知でデモなどを通して訴え続けるか、

口をつぐんでひっそりと耐えて生きるしかない…

そんな絶望的な状態しか先行きに見ることができず、

大変な不安を感じている状況なのだろう。

 

アメリカからの移住に関する問い合わせが殺到して、

カナダ政府のウェブサイトがダウンしたと、

日本のニュース番組で笑顔交じりで伝えられていた。

でもそれは、もしかしたら、

命がけの人たちが本当にいるということの裏返し、

そういう人たちの逼迫している証かもしれないのだ。

笑い事ではないのである。

 


共和党が上下院を得たことは、

今後アメリカ社会にもたらされる色合いの変化に、

拍車をかけることになるのだろう。

今まで民主党が描きだしてきた世界は、

共和党主導で、明確に差し替えられる。

そして、マイノリティへの抑圧や差別と、

社会全体でそれらを暗黙のうちに認めるトーンは、

トランプ新大統領が発言通りに変わることなく施政を進め、

今のまま進むのならば、

残念ながら、その仕打ちが普通のこととなる。

 

新大統領誕生は新たなカオスを生み出す素地になってしまうのか。

多くの矛盾を抱え、問題に苦しみながらも、

人種差別や性差別をなくす道を模索して、

多種多様な違いを受け入れあおうと努力してきた、

人権をうたう国アメリカ。

その命題はここで消え、また昔のように、

差別を是とする国に戻ってしまうのだろうか。

 

トランプ新大統領政権を構成する閣僚の人選に、

今、世界中が注目をしている。

 


馨公