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虹の書斎

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三角形の守りを受ける月

先日の宵の口、

地平に近い南西の空に形作られていた、綺麗な三角形。

 

三日月を頂点にして、

底辺の両端がそれぞれ金星と土星という正三角形…

もしくは、それに限りなく近い二等辺三角形は、

大き過ぎず、小さ過ぎず、

視野の中に程よく収まるスケールで出現して、

冴え冴えと澄んだ宵闇に、

目で見ることのできる調和を描いていた。

 

星同士が何らかの命令により、

さりげなく示し合わせて演出したのだろうか。

偶然で片づけるのは不自然に思えるほど、

均整のとれた図形が完成していて、

まるでピンポイントでこの時を狙ったかのよう。

周りとの兼ね合いの中で、満を持して打ち込まれた妙手のように、

絶対の照準というか、意図を感じさせる。

 

この希少なひと幕をさりげなく作り出した仕組みの奥には、

何か秘密があるのかな…もしかしたらあるのかも…と、

思わず期待した、宇宙からの「贈り物」だった。

 


ところで、この宵に現れた三角形は、

金星土星が下支えをして、頂点は三日月が担っていたけれど、

幾何学のなせる技だろうか、

月が守られ補強されているように見えた。

 

図形という形態の枠の中に見える月は、

通常見知っている、捉えどころがない浮遊する危うさや、

儚さを秘める優しい存在感と比べて、

焦点がしっかりと定まった固さが前面に出ていて、

「別なる月」の風情だ。

 

ある種の法則や構造の中に規定され、

そこにフィットする月を見るというのは、

滅多にない経験である。

三角形というシステムの一員となることで単体から離れ、

骨組みに守られて、

安定したポジションに収まる月、三日月。

醸す雰囲気が明らかに普段とは異なっていて、

そのことに、大いに興味を引かれた。

 

ひとつ例えて言うとしたら、

空全体から満遍なく、おだやかな月の光が降り注ぐ…

というような通常の塩梅ではなくて、

一本の力強い光線へとエネルギーが集約されて、

三角形の頂点から、真っ直ぐ地上に向けて光とエッセンスが放たれている…

というような印象の違いだった。

光の網ではなくて槍、円ではなく線…

そんな風にも言い換えられるだろうか。

 

     三角形に守られた月は、

     滅多に叶わないサポートを得て、

     どこか嬉しそうに見える気がするな。

     まるで、両手をやっと丸々使えるぞ…

     全力を出せるぞ…と人が言うのにも似た、

     存分に打ち込める嬉々とした喜び…

     高揚したトーンだ。

 

     三角形を通しての月が普段と違うことに、

     いつもとの違いに、

     みんな、気付いているだろうか。

 

     原液のように凝縮されて、

     真っ直ぐに届けられる、

     三角形の守りを受けた、

     甘みの濃い光とエッセンス。

     みんな、受け取れているだろうか。

 

おそらく二度と出会えない天体の三角形を鑑賞し、

いつもとは気配の違う三日月に尋ね詮索し、

そして、月からの感触の違いに空想を重ね合わせて。

 

まばゆい宵の明星の美しさを愛で、

微かな光となって届く土星の重みにこうべを垂れつつ。

稀有なる宵の口のひととき、

精巧で繊細な天体の技を味わった。

 

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スマートフォンでは土星が映らないが、金星と対称の位置にいる。

見事な三角形だった。

 

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本当に、本当に微かだけど、右下に土星が。ほとんど正三角形だ。

きっと何らか意味があるのだろう。


馨公