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虹の書斎

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お昼の情報番組のもつ力

先週、東京都議会が開会され、

小池百合子都知事の所信表明が行われた。

当選直後からオリンピックや豊洲市場問題など、

連日小池都知事の一挙手一投足をカメラが追う夏だったからなのか、

そういえばそうだった。でも今ごろって気もするな…と、

そんな思いが浮かんだ。

 

そして所信表明の翌日、都政改革本部の第2回会議が実施され、

オリンピック・パラリンピック調整会議も執り行われた。

3つの施設の建設見直しがニュースで取り上げられているが、

特にボート会場について事態が深刻化しているようだ。

豊洲新市場の調査報告も発表され、

本日は都議会の代表質問があった。

 

既存側に斬り込んでいく新都知事という構図で始まった小池劇場。

開始していきなり目まぐるしい動きを見せてきたこの2ヶ月だが、

ここからの本番、いよいよ本当のスタートをきって、

戦う劇場型から、どうやって未来のリアルな形へと落とし込んでいくのか。

 

誰もが唖然とするような、古いお役所構造ぶりが露呈されてしまった都庁とともに、

何をしているのか仕事ぶりがよく見えず、圧倒多数の与党議員で占められる都議会、都連と対峙しながら、

噴き出ている諸問題を解決させつつ、

都政は、しっかり実働させていかなければならないのである。

落とし込む…果たしてそんなことができるのだろうか。

 


ところで、この一連の流れのあいだずっと気になっていたのは、

昼間の情報番組のこと。

いまさらなのかもしれないが、

感化力、説得力、支配力…

実に大きな「力」をもつ存在なのだなと気付かされた。

 

単なるゲストコメンテーターとは一線を画す、その道のプロが番組に参加するため、

言動に実地の取材と経験に基づく具体性と信憑性があり、

情報収集のできる場、

言いかえれば情報発信する場と化している。

 

その情報内容が、スタッフにより精査された最新かつかなり手厚いものであるため、

多くの視聴者や世間へはもちろん、

政財官方面やマスコミ業界内に波及する発信力・伝染力も極めて大きいことが、

時系列で夜までニュースを追うと、とてもよく見える。

昼の情報番組が、まさに実際の「今」に働きかけるメディア媒体になっている…

と言っても大げさではない。

そんな、様相となっているのだ。

 

昼間の情報番組って、前からこんな作りだったろうか?

昔は芸能ニュースや健康関連メインで、

もっと気楽な空気感だったと記憶していたのだが。

いつからこんな風になったのだろう。

 

各局で国内外のタイムリーなトピックを複数取り上げ、

パネルを多用して時事問題を詳細に説明する流れ。

識者の解説ですきまを補いつつ、有益な豆情報や推測であたりをつけて、

ていねいに紐解いていく。

 

ニュース番組よりもかけられる時間が長く、

一つ一つテーマ毎に、分かりにくい背景や事情、歴史や経緯などを、

シロウトにも分かりやすいように、順を追って細かく開示してくれるので、

ニュースを見るよりもしっかり理解を深められ、また再確認もできる。

そしてそこにプロのジャーナリストや政治家、有識者・専門家が参加して、

その場で意見を突き合わせて、中身を詰めていくので、

ヘェ〜そうなのか…

と、知らぬ裏事情や業界常識などを学習できたりもする。

 

さらに、昼間のお茶の間へという番組の性質上、

侃侃諤諤で話がひどく紛糾というようなことはほぼなくて、

穏やかなトーンでじっくり言葉を受け取れるのも好ましい。

メディアとして質的量的に成立していて、まったく侮れない。

 


ただ一方で、各局で報じ方や切り口に違いはあるものの、

全局がほぼ同じ内容をずっと伝えるというのはどうなのだろうか。

何機もあるエレベーターが常に同時に各階を巡る…

みたいな偏った状況になってしまうのは、利用者の望むものでは決してなく、

また健全でもないと思う。

 

その状態が固定され長期化し、

1つのテーマが量的に過剰に世に送り出され続けると、

世論がある種の洗脳のように思考停止し、

正しい情報なのだろう…とただ鵜呑みにしてしまう危険も生じてくる。

 

ここしばらく、全局が豊洲の盛り土問題に焦点をあてていた。

まれに見る複雑かつ巨大な問題となっている以上、報道自体は必然だと思う。

けれど、細かく間違い探しをするように、

連日建物の構造と盛り土とたまり水の角度からのみにほとんどの時間を割りあて、

豊洲市場問題の犯人追及に力を傾ける姿勢には、

本質から逸脱し、少し報道が暴走しているような印象を受けている。

 

マスメディアがもつ力は時にネガティヴな方向やかたちで、

いつの間にか視聴者や社会を煽るように機能してしまう。

都政も動き出し、ここからまた報道のバランスも変わっていくだろうが、

今回の一連の報道のあり方は、

こうしたマスメディアの有効性と表裏一体の危険性を、

小池都知事の劇場型政治豊洲やオリンピック問題を題材に、

ニュースや情報番組を通して、大きいくくりで見せてくれている。

いち視聴者として、ほど良い距離感と自立性を忘れずに、

メディアや情報番組を活用していきたいと、改めて思っているところである。

 

ただそれでも、

昼の情報番組について、認識を新たにさせられたのは間違いない。

アップデートされる情報を咀嚼して、最短で分かりやすく、

生放送で視聴者に伝達する労力は半端ではない。

 

毎日見ることは叶わないが、

もしかしたら今、豊洲問題や小池都政の動きなど実状に関して、

どんな都の職員より政治家よりも、

情報番組関係者とそれを見る視聴者が、

詳しかったりするのかもしれない。

 


よしたか