虹の書斎

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金木犀

朝方窓をあけて、

外気が部屋に入ると、フンワリ金木犀の香りがした。

どこかで咲いて、風に乗ってきたんだな…

微風がゆるくカーテンを揺らして、

室内にかすかなこころよさを運び入れ、鼻をくすぐる。

 

ベランダに出てみると、

どこかではなくて、外気そのものが花の香りを纏っていて、

淡いやわらかなトーンで何ともかぐわしい。

いい香りで…うっとりしてしまうな。

今朝は涼しくて、肌触りもサラリとしてて気持ちいいし…

秋らしい朝の空気を、しばらくの間かみしめた。

 

芳香で有名な花はいくつかある。

春ならば沈丁花

初夏にはスイカズラ

梅雨の頃にはクチナシ

夏のおしろい花

そして秋の金木犀。

こうして単語を並べ、字面を見るだけでも、

花々の顔だちが脳裏で浮かび咲きだして、

多幸感や喜びが身の内で溢れてくる。

 

散歩に出て、住宅地の中を歩くと、

思っていたよりもずっと金木犀の香りが絶えず、

そこら中で咲いているようだった。

庭が見えないものの、漂う香りに途切れがなくて、

その存在を明確に伝えていた。

 

こんなふうに、一帯の空気全体が当たり前に金木犀で満たされて、

自然に風がかぐわしく渡る「毎年の普通の秋模様」。

素晴らしい自然からのギフトだとしみじみ感じ入る。

この魅了してやまない香りを、他の国の人は知っているのだろうか。

 

ちょっと花酔いして散歩から戻り、

贅沢な話だと、今ひとり悦に入る。

湿度が低い涼しい秋風と金木犀の香りの取り合わせに親しみ、

季節の懐の中を力を入れずにぷらぷら歩くゆとりに遊ぶ。

豊かな秋の、一つの白眉だと思う。

 

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よしたか