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虹の書斎

花散策文や詩、音楽やスポーツ、健康や時事関連等心の赴くままに記しています。

灰色の空とキバナコスモス

 

秋雨前線が日本の上空にかかり、

雨と曇りを行き来する日が続く。

湿度は高めなものの、気温は少しずつ落ち着いてきて、

夜はだいぶ涼しく、日中も過ごしやすくなったように思う。

 

ただ一方では、

温暖化の影響による海水温の高さから、

台風がイレギュラーに近海で発生したり、

前線のかかり具合によって、北海道や東北地方には、

前例のない豪雨による大きな被害がもたらされた。

 

そして、赤道付近で発生した連なる台風も、

海上で発達がとどまることなく巨大化していき、

極めて強い勢力を保ったまま、台湾や中国南部に上陸、

ひどい災害を巻き起こしている。

 

以前に比べて、天候を構成するものの規模や縮尺が、

激しさを増して強大化し、勢力圏が拡大している状況下で、

統計データから気象予測をたててみても、

従来通り、読み通りにはなかなか進まないようだ。

天気予報を伝える側の苦心する様が、毎日のニュースににじみ出ている。

 

そんなふうに激しさの際立つ異常気象の側面にあおられ、

どうしても天候の動勢にばかり気を取られがちだが、

でも季節としての秋の訪れは、ちゃんと問題なく、

例年通りに為されている事実も忘れたくはない。

 

秋に入り始めている身の周りに、こちらが気付けるかどうか…。

世の中の右往左往に囚われてしまうばかりではなく、

目の前にある自然の姿を、しばし心を止めて見つめれば、

秋の彩りと匂いは、すでにそこかしこに表れていると、

容易に気付くことができる。

 


大好きなキバナコスモスが咲き乱れている。

いつの間にかあちこちにランダムに茎を伸ばして、

背が高くなっている。

 

キバナとはいえ黄色ではなく、

オレンジ色の小さなたくさんの花たち。

道端に、田畑のかたわらに、木々のそばに、

明かりを照らすような、鮮やかな色調の花姿を満開にして、

晩夏から初秋への移ろいのさなか、

辺りに喜びの恵みを投げかけている。

 

「この贅沢なオレンジ色の祝福を見て、

しばらくここで花を楽しんでいたいな…」

 

けれど、そんな望みを打ち消すのは、

残念ながら、こちらもまた秋の入り口の常である、

全力を傾けて、即座に押し寄せてくるヤブ蚊たち。

装備もなしにゆっくりと楽しむことは、許されないのだ。

 

ひとつの、幸福な実りの色と感じられる、

しっかりと濃いキバナコスモスのオレンジ色。

この後柿の実にも通じていくこの色は、

例えば自分の中で、金木犀の香りがそうであるように、

秋という季節のさきがけの頃の、確かなシンボルになっている。

 

直に見ればまだ強い日差しが、

灰色の雲のグラデーションで薄められる午後。

湿った涼しめの風に揺れて、オレンジ色に輝くキバナコスモス

秋が来ている…

こういうの好きだなぁと、浸りたくなるひとときだ。

 

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よしたか