虹の書斎

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鬼百合(オニユリ)

 

田んぼ端や川べりの草はらに。

遠くの森や木々の葉に。

繁茂している緑が、燃えるように色鮮やかだ。

濃淡のバリエーションがとても効いている。

 

存在感のないまま終わろうとしている梅雨や、

煮え切らない感じの空模様が続くなかでも、

まわりを見渡せば、

ちゃんと夏の頃の景色になっているのだ。

 

そんな田園風景に目を向けている時。

緑色の世界の中にポツポツと、

オレンジ色の花がアクセントになっているのが見える。

ヤブカンゾウが咲いているのかな…と思っていたら、

鬼百合(オニユリ)だった。


7、8月頃に花咲かせるオニユリ

2メートル近くにまで背が伸びている。

名前からしても、姿形からしても、

明らかに百合の一種なのだが、

他の百合に漂う華やかさや、気品ある女性性の気配が、

オニユリからは、あまり感じ取れない。

そばで見るとオレンジ一色ではなく、

斑点模様の花弁がどこか攻撃的で、怖い。

 

オニユリに対して誠に申し訳ないのだけど、

子供の頃から、醸し出される雰囲気が苦手なのだ。

強い色あいが大きな蜘蛛を思わせたり、

食虫花のようにもイメージできてしまい、

何かが生々しく感じられて、

捕まえられそうな気持ちになるのである。

 

しかしせっかくの機会だし、

逃げてはいけないと立ち向かうような心で、

写真に撮るため近くに寄ってみた。

いい歳になってはいても、

やっぱりオニユリの花をまじまじと見つめるのには、勇気がいる。

 

何が怖いのだろう…

なんか怒ってるっぽいなぁ、怖いなぁ。

プツプツした斑点が、怒りが表に出た蕁麻疹みたいに見えるし。

百合らしい優しい感じがしないわけではないけど…

 

そんな風に、感じるところを言葉にしながら、

オニユリの側でしばし過ごした。

結果、自分の中のトラウマの源につながる、

自己に向き合う類の貴重な時間となった。

 

子供の頃、母親が怒ったときに様変わりする空気の緊迫。

大人の女性が憤っているときの感情の熱量、質量。

女性の心や感情が、強い不満や怒りを帯びた時の色相と、

オニユリの放つ波長は、とても似ている気がする。

 

 

苦手意識とせめぎ合いながら、

少しずつ少しずつオニユリに慣れ、

花の側にいることに慣れていくにつれて。

その佇まいの中には、

特徴のアグレッシブ感だけではなくて、

百合特有の女性性、母性的エネルギーがやはり宿っていることも、

感じられるようになっていった。

 

まだまだ怖い部分はあるにしても、

腑に落ちるものもまた確かにあり。

自分の深層にまで手がふと届く、

気付きの午後となった。

 

 

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よしたか

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