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虹の書斎

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イギリスのその後と覇権争い

 

EU離脱という衝撃の結末となったイギリスの国民投票から、

一週間ほど経過した。

こんなはずではなかったというイギリス国民の声が、

様々な思惑をもって溢れているようで、

その様子がニュースや特集番組で伝えられている。

 

デモが各地で起こり、

EU離脱反対の署名には、約400万もの数が寄せられており、

選挙後から、移民に対するヘイトクライムが、

残念ながら増加しているらしい。

ただ、 ニュースで伝えられる以外のところの大多数の国民は、

通常通りに日々を過ごしているのだろうと思う。

 

EUに対する不満をアピールしたかった思いは真実だとしても、

離脱派に入れて今後悔している、という数多くの投票者の声や、

何だかよくわからないまま、離脱の響きの良さに、

そのまま投票してしまった人のエピソードなども紹介されている。

 

離脱派主導者たちの、巧妙な舵取りに乗せられた多数の国民が、

実は望まない結果でケリがついてしまった…という真相が、

現在あちこちから渦を巻いて噴き出てきている。

政治に関して成熟していると思えるイギリスでも、

直接国民投票ではこういうことが起きてしまうのか。

離脱派を引っ張る者たち皆が、

そもそもEU離脱という結果を本当に望んでいたのか。

それも疑問である。

 

 

一方で、スコットランドは独立を本格的に目指す意図を明らかにしたり、

中には都市単位でイギリスから独立する、などという、

ガセなのか本気なのかもわからない話も届いており、

実際にどうなっていくのかは、まさにこれからに委ねられるが、

事態は恐れていた通りの展開に、なりつつあるようだ。

 

そんな中、離脱派の主導者であったボリス・ジョンソンが、

次期首相レースには参加しないと表明した。

イギリス国民も、これには唖然としたのではなかろうか。

ファラージ独立党党首は、EU会議で皮肉めいたスピーチをして、

ひとり場違いなご満悦顔を見せていた。

 

 イギリスの、こういう権力者たちのエゴに、

国民どころか世界が巻き込まれている現状は、

迷惑極まりないと思う反面、

良くも悪くも、それほどイギリスという国は、

やっぱり器として大きなものを担っている国なのだと、

再認識もさせられる。

 

そして、そんなイギリスほどの政治大国が、

根底から、国としての生命・存続に関わるほどの事態に、

陥り始めている。

 

 

怖いなと思うのだが、こういう時はどうなのだろう。

政治・経済・安全保障や政治機構など、

各国の思惑が入り乱れて混乱の状況を呈する時、

パワーシフトを目論む力を望む存在は、

これをチャンスと捉えて、

自らにとって良い形にもって行ってしまおうと、

行動を起こすものなのではないのだろうか。

 

優しい視点をもって外側にも目を向ける…

ことが今も世界のスタンスではないのならば、

21世紀になっても、

そういう覇権争いのルールは変わらないはずだ。

 

政治的・経済的に相容れない国同士・政治機構は厳然と存在し、

普段から虎視眈々と勢力拡大を目指していたり、支配圏を強化している。

サイバーレベルでは、むしろ明らかにロックオンの状態がまかり通っている。

温めていた策謀や計画を、この事態に便乗して仕掛けるとか、

行動するなら今だと、思わないはずはない気がする。

イギリスほど重要な大国が弱みを見せるならば、なおさらそうだろう。


長らく、アメリカの弱体化の加速と、

それによる一極集中から多極型へのシフトを実現させたいという、

アメリカ以外の大国たちの思惑についての洞察がなされ、

様々に取り上げられてきている。

 

けれども、まさかイギリスという大国群の一柱に、

このような極度に深刻な揺らぎが起こり、

世界を長らく構成してきているパワーバランスそのものを、

変化させるかもしれない動きが起きるなどとは、

専門家や識者も、想像できていなかったのではないだろうか。

 

大国同士の覇権争いという次元さえ、土俵に呼び込んでしまう可能性。

想像の世界のことなどではなく、

イギリスとEUどころか、世界の構造にまで手が及ぶような気配さえ、

見え隠れしてくることになる。

 

イギリスに起きた国内の顛末、イギリスの弱体化は、

フラクタルのように波紋を広げ、展開を広げて、

世界規模での安全保障の事態を、生み出す狼煙にもなりかねない…

そんな様相もまた、きわどく孕んでいる。

 

政治大国イギリスが、

ただ手をこまねいているだけとはとても思えないが、

あまりに内部の亀裂が大きくて、

外にまで目を向ける余裕が生まれないかもしれない。

 

歴史的に見ても、いざとなれば自分を守り生かすために、

何でもしてしまいそうな怖さをももつ国とも思えるし、

イギリス国民が苦境ゆえにヒステリックにならぬように、

何とか早い段階で立て直して欲しいと、心から願うばかりだ。

 

 

「あんな事が起きた時は何てことだと思ったけど、結果としては必要なアク出しだった…」

後から見てそう思うようなことは、大なり小なり必ずある。

けれど事が起きる前に、起きてもすぐの早い段階…ひどくなってしまう前に、

未然の内に一つ一つ目の前の問題をクリアしていけるならば、

それに越したことはない。

 

どこに向かうのか、どこが終わりなのか。

イギリスEU離脱選択から派生して、

先行きも枠組みも曖昧模糊になり、未来の景色が不鮮明になっている。

イギリスとEU。双方に言い分があるとしても、

今まで培ってきた、ある程度以上は確保できている平和を土台に、基盤にして、

一つ一つ問題を確かな形で、早い段階で、

平和的解決へとつなげていって欲しい。

 

 

よしたか