虹の書斎

花散策 テニス(Rフェデラー• 観戦感想) 健康 肌ケア 音楽 時事 詩 雑記etc

イギリスのこと

 世界中が注視し、

固唾を飲んで見守り続けた、

この度のイギリスの国民投票

結果は、EUからの離脱派が勝利した。

 

個人的には、いくら何でも残留するはず…

結局は離脱せず、残留に落ち着くことになるだろう…と。

イギリスの動勢を「タカをくくって」見てきていたので、

正直、投票の結末に唖然となった。

 


当日、午前の取引が始まった段階では、

まだ楽観的な雰囲気だったようで、

そこから激しい乱高下の展開になっていったマーケットの動きを鑑みると、

おそらく世界中が似たような温度…

「まぁ、残留派が勝利するんだろうさ」

くらいの見方をしていたのではないかと思う。

 

選挙の開票作業の進み具合に合わせて、

あれっ、ちょっとヤバくないか?

ヤバくなっていないか?

ヤバいのか?ヤバいぞ…と。

煽られる投資家たちの心の動きそのままに、

午前遅くなればなるほど不安が増大した市場は、

一気にある瞬間から、売る動きが炸裂しはじめ、

加速していった。

ある種集団的なパニックに、世界規模で陥った1日となった。

   

   〜〜〜〜〜〜


加盟国内での極右の台頭が懸念されてきた中で、

今回イギリスEU離脱を、英国民が勝ち取った事実は、

EUに反発する勢力を、今後ますます、

欧州各地で促進拡大させることになるのだろう。

スペイン・オランダ・フランス…

連合体の無理が、詳らかにされていく道が、

始まったということかもしれない。

 

そしてイギリスは、イギリス国民は、

これから大丈夫なのだろうか。

とても心配している。

 

今回のことで、国内がほぼ真っ二つに分断され、

ある意味、本当の自国の姿を目の当たりにしてしまった今。

果たしてこれを受け入れて、

そんなに簡単に、一丸となっていけるのだろうか?

それだけの力が残っているだろうか?

そもそも国民同士、手を結ぶ方向に向かうのか。

 

もともと連合システムで「成り立たせて」きた国なだけに、

これほどクリアに、国民の内部分裂の様が露呈されてしまうと、

今まで連合王国を統括してきた政治力も、

従来どおり機能するとは、もはや考えにくい。

 

分解へのダイナミズムが活発化し、

トランスフォームへの運動が本格化するなど、

様々な動きが出てくることは、まず間違いないだろう。

一気呵成のカオスにならなければよいのだが。

 

最悪、国の分裂が起き、

今のUKから、別の新たな形を導入していくことになることも、

可能性としては否定できなくなってしまった。

今回の国民投票とその結果は、

イギリスだけを見てみても、

それほどに、尋常ではない危うさを内包している。

 


ところで、残留派と離脱派の意見を聞いていると、

EUというシステムへの不満とその鬱積が、

際立ってアピールされていた。

イギリス人をそのようにまで駆り立てるほど、

EUの抱える問題点は、深刻で根深いものを孕んでいるのか?

 

移民の流入による、英人低所得者層の雇用問題への怒りや鬱憤、

大英帝国の末裔としてのプライドから、

とにかくEUの制約や支配から脱却し、自国のみに立ち返りたい!

という欲求の「熱」も、強く感じられた。

 

残留か離脱かの選択をするために、

イギリス国民はそういった要因を理由としたのだろう。

けれど、葛藤しつつ理性的・感情的に混ざったままで、

投票に向き合った人も多かったのでは…という気もする。

 

ただ中には、支配から抜けて自力で行くという、

何とも胸のすくような、心躍らせるようなイメージと、

壮大なお祭りのような高揚感がないまぜになって、

離脱に投票したという人も、

少なからずいたのではないだろうか。

中身を考えるよりも、まず離脱!という響きに魅了され、

投票に走ってしまった人たち。

 

インタビューのみでは判断は難しいところもあるけれども、

離脱派の人の言行には、

自分たちでできる。自分たちでやれる。という思いや、

特に高齢者による、大英帝国に依拠する発言が多く聞かれた。

熱やプライドに基づくのはよいとして、

離脱の代償としての現実的な部分に、

果たしてどこまで意識が及んでいたのか。

見通しが淡く、具体性が弱いことが、気になった。

 

国民による直接の投票。

こわいマイナス面を、

見させられたような気がしてならない。 

 


イギリス国民がこれから背負うものも、

またEUや世界が受け止めていくものも、

政治的にも経済的にも、そして民族的なものも含めて、

どれほど大きく深刻なものになるのかさえ、

今はまだよく見えず、わからない。

全ては今後に委ねられることになった。

 

今わかっていることは、

イギリス国民(離脱派)の選択は、

巨大で多重な諸問題が、世界中に及び起こるほどに、

複雑かつ影響力が大きなものである、ということ。

 

そして、EU側も、他の世界の主要国も、

未知の航海に、何の用意もないままに出航してしまうイギリスに、

問答無用で巻き込まれ、進んでいかざるを得ない…

ということ、である。

 


勝利宣言に沸き立つ離脱派の人々の、

喜びに満ちた弾けるような笑顔が印象的だが、

むしろ個人的には、沈痛な面持ちで、

絶望的な気配をまとい落ち込んでいる、

残留派の人たちのこれから、に思いが募る。

 

もし自分の国が、直接投票での択一を迫られ、

支持してる方が僅差で負けてしまったら。

そして、自分の信じない道を国が進んでいくことになり、

これからもそこで、生きていかなければならないとしたら。

 

今、残留派の人々の心の中は、

どれほどの痛みと苦しみ、葛藤と失望があるのだろう。

どれほどの不安と、向き合っていることだろうか。

 


よしたか

広告を非表示にする