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虹の書斎

花散策文や詩、音楽やスポーツ、健康や時事関連等心の赴くままに記しています。

梅の園

 

川沿いの遊歩道脇に蠟梅と紅梅が咲いている。

つやつやした黄色とピンクを帯びる紅色。

その鮮やかな花姿に思わず立ち止まり、

おもむろにスマートフォンを取り出してみて、

鑑賞しつつ、撮影を試みる人もいる。

 

やや歩くと、白梅だけの小さな梅園がある。

5〜60本ほどになるだろうか。


少し離れた所からでも、

枝には数多くの白い蕾が見える。

もうまもなく、綻びそうだ。

 

一本の白梅のそばに近寄ると、

品のある甘みとさわやかな酸味を孕む香りが、

ふんわりほのかに漂っている。

繊細微妙なたゆたい。

静やかなかぐわしさ。

よく見ると、一輪また一輪と咲き出している。

 

梅花の香りのやわらかな清々しさは、

密度を増して、固く重くなりがちだったわたしの心にも、

清涼さに似た澄んだ質感で、スゥと染み入り、

固着しそうな頑迷を解いてくれる。

留まりたがる我を、サラリと浄めていく。

 

日当たりの良いところに行くと、

すでに一部の花が咲いていて、

6,7羽のメジロが、忙しそうに花々をついばんでいる。

何を会話しているのか、

ピチチチと、小さくて愛らしい高音のさえずりが、

あちこちから聞こえてくる。

 

園全体で開花すれば、

雪化粧をしたように、場は白一色となるのだろう。


そして、辺り一帯は、

白梅の醸す、妙なる芳香に包まれて、

密やかな春の平安が訪れることだろう。

 

梅の木々たちが、平和な静謐を育んでいる。

 

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よしたか